
運動療育
「運動療育」(うんどうりょういく)は、主に発達に課題がある子どもたちを対象に、運動を通して心身の発達や社会性、感情のコントロールなどを支援する療育アプローチです。療育(りょういく)とは、「治療」と「教育」を組み合わせた言葉で、子どもがその子らしく成長・発達できるよう支援することを指します。
運動療育の目的
- 身体機能の発達
体幹・バランス・筋力・協調運動(手足の連携)などを育てる。 - 感覚統合の支援
感覚の過敏や鈍感さに対応し、適切な感覚処理を促す。 - 注意力や集中力の向上
体を使った活動で集中力を高める。 - 社会性・コミュニケーション能力の発達
集団運動やルールのある遊びを通じて、他者との関わりを学ぶ。 - 自己肯定感の向上
成功体験を積み重ね、自信をつける。
よくある運動療育の内容
- トランポリン、バランスボール
- マット運動(前転・後転・横転など)
- サーキットトレーニング
- リズム遊び(音楽に合わせて動く)
- かけっこ・ジャンプ・平均台
- ボール遊び(キャッチボール、的当て など)
- 集団ゲーム(鬼ごっこ、じゃんけん列車 など)
対象となる子ども
- 発達障害(自閉スペクトラム症、ADHD、学習障害など)のある子
- 身体の使い方がぎこちない子
- 感覚過敏・鈍麻がある子
- 社会性や感情コントロールに課題のある子

キッチン療育
料理や調理活動を通じて子どもの発達を支援する療育の一形態です。特に発達障害や知的障害をもつ子どもたちに対して、日常生活に必要なスキルや社会性、五感を育てるための支援として取り入れます。
キッチン療育の目的
- 手先の器用さの向上(微細運動)
- 順序立てて行動する力(実行機能)
- 感覚統合(触覚・嗅覚・味覚など)
- 集中力や注意力の強化
- 達成感や自己肯定感の促進
- 社会性(順番を待つ、人と協力する、話し合うなど)
活動の例
- 野菜を洗う・ちぎる
- 材料を混ぜる
- おにぎりを握る
- 簡単なお菓子作り(クッキー、ゼリーなど)
- 包丁や火を使わない調理(安全重視)
安全面の工夫
- 包丁の代わりに「子ども用ナイフ」「スライサー」
- 火を使わないレシピを選ぶ(電子レンジ調理など)
- ラップを使って直接手を汚さずに作れる工夫
- 手洗いの習慣づけや衛生指導も療育の一環に